Abyss

日々の思索と妄想と魑魅魍魎。三木清の『人生論ノート』とパスカルの『パンセ』が私の心の拠り所。Peace.

素敵な人が怖い

素敵な人が怖い。素敵な人は、まるで生き物じゃないみたいだ。素敵な人は、笑っている。素敵な人は、毎日仕事を頑張っている。素敵な人は、休日に趣味を充実させている。素敵な人は、健康的であり、スポーツが好きで、ファッション感覚に優れ、自己肯定感を…

真理・真実・真相

ものを考えるとき、または、情報に接するとき、私たちはそれが正しいのか間違っているのかを判断することができる。情報とは大きく分ければ、文字、音声、映像の三つに区別できるだろう。文字とは、言うまでもないが、印刷物であるが、最近は特に電子媒体が…

人情派になりたい

人間関係という言葉は、同語反復のような響きがある。人間とはその存在自体が相互依存関係の上に成り立っている。人間に関係するとはどういう事態だろうか。「関係」に関係するとは、頭では理解できるが、実態としてイマイチ把握しかねる。 人間は一人では生…

私家版処世訓

・大切なことから始める ・大切でないことは後回しにする ・過去を水に流し、その都度清算する ・何度でも心機一転する ・支援者、協力者を求める ・お金を稼ぐ前にお金の使い方を決める ・寂しいときは自分を褒める ・頑張るときは自分を忘れる ・言葉遣い…

暮しに秩序を、心に一筋の光を

暮しを整えたいと思った。暮しとは要素に還元され得ない事象であるが、それでも尚、試みとして整理していきたい。 まず、暮しを支えることの一つは、仕事である。ここでいう仕事とは、生計を立てる手段としての職業という意味に限定したい。また、その意味に…

落ち着きを求めて

平穏無事な一日を送りたい。よく整理整頓されていて、肌触りがよく、円満な雰囲気を醸していて、全体として調和がとれており、悠久の時間の流れとともに、唯、思考を巡らせているような生活の様式を持ちたい。スロウ・ステディ・シンプルと言えばよいか、清…

なんとなく韓国について

日本人が韓国の政府・歴史・文化・国民性などについて語ることは相当にリスクが伴う。どうやっても慎重にならざるを得ない。丁寧に、一つ一つの言葉、一つ一つの解釈を述べ立てても、きっとそこには欠陥がある。歴史解釈など、百人百様に決まっているのにも…

魂の癒やし方・魂の鍛え方

修士論文は未完成のまま提出された。三日前のことだ。もう遠い過去のようにすら思える。今感じるのは、体の重さと心の軽さだ。乖離がある。体を真っ直ぐに立ち上がらせ、歩かせ、走らせ、頭を使い、目や手や足を使うことが、今はとても億劫に感じる。しんど…

反省の愉楽

提出してしまった論文を修正することは出来ない。パソコンに入っているデータは幾らでも修正することができるが、あの論文はもう永久にあのままだ。あらゆる出版物には、今日の私が抱えるような、後悔と自責の濃淡が施されていると見て間違いない。特に急拵…

論文提出現在完了進行形

論文を提出した。これは快挙である。私の人生の中でも指折りの快挙である。実力相応の大学に(一浪の末)受かったとか、教員採用試験に偶然合格したとは、訳が違う。私自身によってこれを為すべきと判断し、そして様々な方からの支援の手を借りつつ(積極的…

ラストスパート

残すところ五時間である。五時間後、私はこの家を出る。三部の論文を鞄に詰めて。その論文は私の魂が込められている。それは信じていいことだ。どのような出来であろうと、これが私の出来る限りのものだったのだ。 まだ時間があること。それは幸福である。眠…

残日録(0)

ついにこの投稿で、長かった残日録日記を終えることになる。感慨深い。果てしなく長い道程だった。だがしかし、本当の旅の終わりは論文を提出した時だ。それまではもう少し続く。 現在の状況は、カバー、日本語要旨、イントロダクション、第一章、第二章の三…

残日録(1)

残り50時間ある。 ああ、もう何も終わらない。何もできない。提出できない。だってまだ翻訳も終わってないし、まとめの章も書いてない。参考文献もない。詰んだ。終わった。出来なかった。 でもまだやれる。ここで諦めてどうする。諦めた後も生きていかない…

残日録(2)

まだ諦めていない。諦めが悪いのだろうか。それは忍耐強いというポジティブな意味よりも、恋愛における男のしつこさ、粘着質的ガッツのことを指している。それとも、本当は諦めているのに、諦めていないふりだけしているのか。本当の本当は、自分でもよく分…

甘く切ない日々とは死について考えることである

実際、今日の人間の多くはコンヴァレサンス(病気の恢復)としてしか健康を感じることができないのではなかろうか。これは青年の健康感とは違っている。恢復期の健康感は自覚的であり、不安定である。健康というのは元気な若者においてのように自分が健康で…

残日録(3)

急に涙が込み上げて来る。泣いている自分を発見する。そうか、私は泣くことが出来るのか。昔のことを思い出したのだ。辛い過去を。辱めを。失望と後悔の日々を。薄汚れた心を。汚らわしい顔。脂肪に覆い尽くされた四肢。重い倦怠感。肚の底から絶え間なく突…

残日録(4)

佳境も佳境。残すところ100時間を切って参りました。修士論文の提出、間に合うのか、間に合わないのか。ドキドキハラハラの展開です。さあて、どうなることやら、全く分かりません。 私自身は、全然、焦りも恐れも怨みも憎しみも後悔も怒りも抱いていない、…

残日録(5)

寝床に就く。とても落ち着いている。平穏な気持ち、静謐なひととき、秩序のある精神は、こんなにも幸福であるのか。これは『金剛般若経』のお陰であろう。これを機に、色んな宗教の聖典を読み、体で理解し、それぞれの特色を知り、自分の生きる糧にして行き…

残日録(6)

心を落ち着ける事こそ、こういう危機的状況では最も大切な事だ。心を落ち着けるとは、即ち、出来る限り客観的になる事だ。私はあまりにも主観的だ。無意識の思惑、無意識の作用、無意識の計らいに体を預けてしまう傾向がある。更に、どうにも私には「学習性…

残日録(7)

愈々、提出日が差し迫って来た。眠気が訪れても、思考を緩めることが難しい。ヤメラレナイ・トマラナイとはこのことだろう。論文に集中したいのに、体が集中できない。だがしかし、この感覚にも慣れてきたのか、あまり狼狽えることもなくなってきた。どうす…

読まずに死ねるか!

生きる希望を見つけるとは、絶えず、何を読むべきかを定めることだ。まだこの本やあの本を通覧・通読・味読していないという嘆きは、死に際になっても尚、一番心残りなことに違いない。目を養わねばならない。心を育てねばならない。これは目的以上の使命で…

安眠法の発見

眠りたいとき、まず次の言葉を頭の中で唱える。 愛してる/大好きよ ごめんな/ごめんなさい 許してくれ/許して頂戴 ありがとう/ありがとう なぜ二つに分けたかというと、心のなかにいる男性的な私と女性的な私を区別するためだ。私の場合、それぞれが父と母の…

残日録(10)

今日が始まる。気持ちが改まる。よし、やろう。準備体操をして見る。ちょっと恥ずかしいが、あまり気にせず足を回したり、腕をぐるぐるしたりする。公園に野球バットを持って行き、半時間ほど素振りをする。懐かしさがこみ上げて来る。あの時もこうやって一…

残日録(11)

昨日、修士論文が何も手に付かなかったことを此処に告白したい。懺悔とは本来このような公的な場所で行われるべきではない。密室で、内々に、静かに為されるべきものだ。と言っても、私は、なんら宗教組織に属してもいない。有り体に言えば、気楽な時代に生…

プロフェッショナル散歩師

散歩とは修行の道である。修行といってもなにも難しいことをする訳ではない。楽しみを増すための工夫の道である。 散歩に欠かせないのがiPodと比較的質の良いヘッドホンだ。散歩用のプレイリストを沢山作るのがいい。雲一つない晴れの日、重い曇りの日、雨が…

謝辞

信念を忘れぬ前に、薄れぬ前に書いておこう。この論文は、何よりもまず、不世出の天才ラッパーの二人、Tupac ShakurとChristopher Wallaceに、そしてHIP HOPという偉大なコミュニティ全体に対して捧げられている。次に、一番お世話になった担当教員のO先生、…

愛と美の直観―または生きていく為の処世術として

一応の最終回答である。愛と美の直観。これ以上思弁的に考え続けることは、私にとって現実的に不可能だ。愛を知り、美を知る。愛と美が認識の出発点であり、世界は愛と美に開かれ、愛と美を直観することが心と体の調和を生み出し、魂は安定する。私が一年間…

残日録(12)

・1ページ翻訳するのに2時間掛かる。これでは埒が明かない。今日中に12ページ仕上げねばならない。ファクトチェックは後でいい。英語の文体も後でいい。まずは、意味の通る英語に翻訳することだけ考えよう。これは時間との闘いだ。今日は残り5時間半だ。 ・…

Sさんのこと

Sさんのことを書こうとすると胸が詰まる。彼女は私が今まで出会ってきた女性の中で最も美しい魂の持ち主だ。Sさんはもう私のことを忘れてしまっているかもしれないが、私はまだSさんのことを忘れられずにいる。尤も、Sさんから離れようとしたのは私だったの…

審美眼を鍛える練習

思い煩うときは、いつも、美しい言葉を求めてきた。美しい声、音、絵、映画。または美しい人、赤子、子ども、小学生、中学生。または懸命に働く大人たち。美しい女、美しい男。友との会話。父との会話。母との会話。弟との会話。先生との会話。会話にも美し…