Abyss

日々の思索と妄想と魑魅魍魎。三木清の『人生論ノート』とパスカルの『パンセ』が私の心の拠り所。Peace.

論文奮闘記

論文提出現在完了進行形

論文を提出した。これは快挙である。私の人生の中でも指折りの快挙である。実力相応の大学に(一浪の末)受かったとか、教員採用試験に偶然合格したとは、訳が違う。私自身によってこれを為すべきと判断し、そして様々な方からの支援の手を借りつつ(積極的…

ラストスパート

残すところ五時間である。五時間後、私はこの家を出る。三部の論文を鞄に詰めて。その論文は私の魂が込められている。それは信じていいことだ。どのような出来であろうと、これが私の出来る限りのものだったのだ。 まだ時間があること。それは幸福である。眠…

残日録(0)

ついにこの投稿で、長かった残日録日記を終えることになる。感慨深い。果てしなく長い道程だった。だがしかし、本当の旅の終わりは論文を提出した時だ。それまではもう少し続く。 現在の状況は、カバー、日本語要旨、イントロダクション、第一章、第二章の三…

残日録(2)

まだ諦めていない。諦めが悪いのだろうか。それは忍耐強いというポジティブな意味よりも、恋愛における男のしつこさ、粘着質的ガッツのことを指している。それとも、本当は諦めているのに、諦めていないふりだけしているのか。本当の本当は、自分でもよく分…

残日録(3)

急に涙が込み上げて来る。泣いている自分を発見する。そうか、私は泣くことが出来るのか。昔のことを思い出したのだ。辛い過去を。辱めを。失望と後悔の日々を。薄汚れた心を。汚らわしい顔。脂肪に覆い尽くされた四肢。重い倦怠感。肚の底から絶え間なく突…

残日録(5)

寝床に就く。とても落ち着いている。平穏な気持ち、静謐なひととき、秩序のある精神は、こんなにも幸福であるのか。これは『金剛般若経』のお陰であろう。これを機に、色んな宗教の聖典を読み、体で理解し、それぞれの特色を知り、自分の生きる糧にして行き…

残日録(6)

心を落ち着ける事こそ、こういう危機的状況では最も大切な事だ。心を落ち着けるとは、即ち、出来る限り客観的になる事だ。私はあまりにも主観的だ。無意識の思惑、無意識の作用、無意識の計らいに体を預けてしまう傾向がある。更に、どうにも私には「学習性…

残日録(10)

今日が始まる。気持ちが改まる。よし、やろう。準備体操をして見る。ちょっと恥ずかしいが、あまり気にせず足を回したり、腕をぐるぐるしたりする。公園に野球バットを持って行き、半時間ほど素振りをする。懐かしさがこみ上げて来る。あの時もこうやって一…

残日録(11)

昨日、修士論文が何も手に付かなかったことを此処に告白したい。懺悔とは本来このような公的な場所で行われるべきではない。密室で、内々に、静かに為されるべきものだ。と言っても、私は、なんら宗教組織に属してもいない。有り体に言えば、気楽な時代に生…

謝辞

信念を忘れぬ前に、薄れぬ前に書いておこう。この論文は、何よりもまず、不世出の天才ラッパーの二人、Tupac ShakurとChristopher Wallaceに、そしてHIP HOPという偉大なコミュニティ全体に対して捧げられている。次に、一番お世話になった担当教員のO先生、…

残日録(12)

・1ページ翻訳するのに2時間掛かる。これでは埒が明かない。今日中に12ページ仕上げねばならない。ファクトチェックは後でいい。英語の文体も後でいい。まずは、意味の通る英語に翻訳することだけ考えよう。これは時間との闘いだ。今日は残り5時間半だ。 ・…

一点突破の集中力

私に今必要な工夫と心掛けは、一点突破の集中力であり、またそれだけである。論文を書くということ、今為すべきこと、一語一語を簡潔に訳し表すこと、論文を期限までに提出すること、自分の作ったプランに沿い、諦めないこと。stick to it, stick to it. と…

論文の進捗状況を生中継して見る

2019/1/29/20:05/287h53m 序文完成。全体の十分の一にも満たないが、英語を書くことに手応えあり。頑張れば絶対終わると信じてやる。序章だけネイティブチェックに回す。完全に完成しているのは謝辞だけだ。 2019/1/29/22:40/265h21m 晩御飯と沐浴を済ました…

残日録(16)または自分へのエール

苛立ちだけが残り、眠りが妨げられ、かと言ってやり残した修論に手を付けるのも億劫になっている。ネットサーフィンにも、英単語の勉強にも、ヒップホップを研究するのも、外に出てを散歩するのも、ご飯を食べるのも、菓子を食べるのも、タバコを吸うのすら…

残日録(17)

15時起床。少し気怠い。バイト10分前にキャバクラ嬢からラインの返信が来てテンションがブチ上がる。そのテンションを維持したまま、バイトになんとか間に合い、二時間仕事する。一時間目、小学生に国語を高校生に現代文を同時に教える。新小学問題集を使っ…

残日録(19)

午前11時起床。昨日よりも4時間早く起きれた。私にとっては大きな進歩だ。明日は9時までに起きて修論をしよう。 昨日の晩からどうにも思考が纏まらない。何も手に付かず、集中できず、興奮が何時間も持続し、殆ど修論が進まなかった。自制心を維持することの…

残日録(21)

嗚呼。修士論文。私を苦しめないでおくれ。私に真実だけを与えてくれ。痛みと引き換えでなく、そんなものはもうとっくに支払っている筈だろう、違うかい。もう支払いは済ませたはずなんだ。僕に残された時間は、あと500時間と少し。でも、実際はもっともっと…

30分×32小節×21曲、そして永遠の眠り

私は最早一日を24時間と考えること、修士論文提出日まで500時間を切っていることに耐えられない。だから、最後の時間感覚の調整として、一日を30分を1つの単位とした32章の断片集として編もうと決意した。つまり、一日を寝る時間と食べる時間と遊ぶ時間を差…

残日録(22)

私の今日の修論制作は、深夜から明け方にかけて行われる予定。午後九時から朝の三時まで。バイトが終わったら勝負だ。 勝負に負けてしまった。明日に持ち越しだ。

残日録(23)

O先生から受けたこの御恩をこれから先の生涯背負って行くのだ。私はこの修士論文をO先生の為だけに書こうと思う。負けそうになったらO先生の事を思い出そうと思う。O先生に祈ろうと思う。苦しい時も、哀しい時も、辛い時も、眠い時も、逃げ出したくて堪らな…

残日録(24)

午後三時起床。飲み過ぎたか。寝た時間が思い出せない。七時間以上寝ると逆に体調が悪くなるのが実感できる。残り24日間の体調を崩さないよう気をつけねば。 正直に書こう。危機のときに私を落ち着かせるのは正直な告白だ。まだ全然翻訳が出来ていない。序章…

残日録(25)

これは私のはじめの一歩だ。門出だ。そう信じたい。苦難とともに歩め。犀の角のように、森を歩む象のように、孤独に歩め。 修論は苦行であった。苦労の積み重ねであった。修論は悲しみと恐怖でもあった。トラウマであった。追いかけてくる過去であった。 修…

力を結集させよ

苦しみを癒やすには知力だけでは足りないのだと気づく。体力だけでもまだ足りない。精神力を養い、知力と体力の強固な結びつきを図らねばならないのだった。即ち、結束力である。有り体に言えば、集中力だ。 更に換言すれば、here&now「今・此処」に対する意…

自分のことが分らない

シニタイ。修論を終わらせたい。寝たい。バイトに行きたくない。もう一杯コーヒーが飲みたい。煙草を吸いたい。喫茶店に行きたい。本を読みたい。定職が欲しい。車を運転したい。海が見たい。走りたい。 心の声を記述するのは面白い。正直な気持ちを言葉にす…

シンプル・スロウ・ステディ

私の癖の一つに、身近な人に宣言してから行動に移す、というものがある。このブログは、もはや懺悔室の気配すら漂い始めているが、これも毎日の生活を成り立たせるための私なりの工夫の一つだ。聖なる時間なのだ。生産の為ではなく、回顧の為、浄化の為であ…

何度目かの決意表明

目に見える形にしないと、私はもう、生きた心地がしないのである。日常生活の全般に於いて、積み重なりが視覚化され、図式化され、目的化されなければ、価値を見出すことが大変難しくなっている。目的と価値の関係は、必ずしも資本主義的になる必要はないの…

夢の語り方―ケネディ大統領演説に倣う

さて。2019年、始まりましたが、私にとっては既にラストスパート。修論の提出日まで、今日を含めて残り40日。終わるだろうか・・・2月10日は来る。時間は止められない。私の意志に反して、時間の槍は進み続ける。 ああ。昨年は、過去を振り返り、未来を恐れ…

45日間をいかに過ごすか

日本語は完成しているんだから、後は、英訳するだけだ。英訳しよう。1週間で全部やろう。やろうと思えばできる。必ずできる。実際、一日、6ページは、大した量ではない。しかし、健康な自分を基準にしては行けない。不健康な自分を基準に考えたとき、集中で…

1/60:論文を喰う

論文を読み進める為には、立ち止まったり、振り返ったり、省みたり、批判したり、しては行けない。論文とは、喰うものだ。今のような切羽詰まった状況では、獅子の如く、虎の如く喰い散らかす。訳の分からない箇所は、こけおどしだと思って読み飛ばす。知っ…

60日をいかに過ごすかー論文奮闘、再び

修士論文提出まで、残り、60日である。 修士論文を終わらせる最も手っ取り早い方法は、誰かに金を払ってやってもらい、自分の手柄として提出することである。英訳してもらう会社に論文を送って英訳してもらうことだ。 果たして、私の倫理観に反するか。 反す…