Abyss

日々の思索と妄想と魑魅魍魎。Peace.

個人を歴史に位置づける試み

  記憶は当てにならない。だからこそ数量化できると見做される物は出来る限り、チャートにまとめて置く。数量はすべて図形化できるわけではないだろう。しかし家計簿やダイエット記録、睡眠、食事、運動量、血圧、薬の服用、日記ブログの更新、蔵書管理、などの生活に関わる根本的な「仕事」(物理学で言う仕事量)については、可視化できる限りチャート化しておきたい。毎日のルーティンワークこそ、忘却しやすい最たるものだ。と同時に反省が最も求められているのはこの習慣的な数量のバランスなのであり、中庸を目指すのならば、ありとあらゆる日常的なもの(日常的な言語使用と行為)を数量化しチャートにして置き、図式にして残しておく。これは個人の存在と時間を定式化し、歴史にまで昇華するための一つの試みである。個人史という言葉が指し示す通り、個人の内的世界や暮らしの循環に於いても、人文学のアプローチが有効なのである。政治学の於ける「家」の保守思想、社会学に於ける「構造」的把握、経済学に於ける「数量」的還元、そして文化人類学に於ける「細部と全体」の統一、そしてこれらの中心学問として20世紀の実存哲学に於ける「真なる認識」と「最善の行為」と「審美的表現」の全方位的な縮小と拡張。こうした学問群の方法論を用いて、自己発見と自己改造の往還運動をより高度な水準に高めていきたい。