Abyss

日々の思索と妄想と魑魅魍魎。三木清の『人生論ノート』や小林秀雄の『考えるヒント』みたいな随想録や告白集を書くのが夢。嘗て高校教諭。現在はラップ研究している大学院生。Peace.

環境の生き物

   色即是空なんだから何を言っても良いよね、とはならないが、何だか知らんがもやもやするので書き記しておきたい。私の苦手なタイプは、完璧な作り物みたいな人間だ。人間には本来の味があって、汚れがあって臭みがあって当然だ。それが情緒の根っこなんだろうと思う。一方、完全に除菌されて、身体も清潔で、思想も洗練され過ぎている人には、興味本位で近寄ることもあるが、長い時間は一緒の空間で過ごせない。それは向こうとて同じ事。私のような俗物とは、同じ時空間を共有したくないのだろう。自ずとお互いに離れていく。

   私の人間好きも、ちょっと泥臭い人間から綺麗好きな人間までである。あまりにも世俗にまみれた泥のような人間や、あまりにも潔癖な自動人形の様な人間は、現在の私の手には負えない。私がもしも出家した坊さんなら、いろんな人間を相手にするのも仕事の内だと思うが、今はただの塾講師のバイトをしている大学院生である。身分が人に与える影響は、やはりと言うべきか、大きい。社会的な身分が下がれば、社会的な道義的責任も下がり、生活レベルや意識のレベルも下がるのだ。人間は環境の生き物である、と言うのはどうやら本当のようだ。