Abyss

日々の思索と妄想と魑魅魍魎。三木清の『人生論ノート』や小林秀雄の『考えるヒント』みたいな随想録や告白集を書くのが夢。嘗て高校教諭。現在はラップ研究している大学院生。Peace.

時間の観念が弱い

 女心と秋の空と言うが、全くその通りだなあと思う。女は何歳ごろから女らしさを身につけるのかは、男である私はどうあがいても体感的に知ることは出来ない。三島由紀夫は時間について次の様に言ったそうである。「女は時間に遅れる権利を有する。なぜなら女は自分の時計を生まれながらに持っているから。男は生まれながらに時計を持っていないから、高価な腕時計を欲しがる」こんな趣旨の話だった。私は男であるから、生得的な体内時計を有していないのだろう。恐らく、女のpunctualityとは、健康の証なのだろう。では怠惰な男とは、時間の観念が弱い男になるのか。論理的に対応するのか明確に分からないから結論は下さない。少なくとも私は、時間の観念が他の人間(特に男)と比べて、鈍感らしい。 

 女心が移り変わりやすいのは、男には決して理解できないプライベートな事情が在るのだろう。そっとしておくのに越したことはない。

 ところで、私はよく忘れ物をする。私はよく遅刻をする。カレンダーは殆ど空白が多い。給料日と各種の支払日が書き込まれているだけだ。一度か二度、手帳を真っ黒にすることが充実したライフ・スタイルだと意気込んでいた時期があった。大学生の頃だったと記憶するが、手帳も散逸してしまって確認は出来ない。しかし、その時の自己の気持ちは鮮明に思い出せる。「リア充になりたい」。馬鹿な願望を抱いたのも、今となっては懐かしい。翻って現在の私は、相変わらず忘れ物をするし、遅刻をする。しかし、全く反省しなくなった。開き直ってしまった。反省した振りをするのが得意になった。心の中までは受け渡すまい、と強くなった。(馬鹿になった?)

 ネガティブな性格もポジティブが性格も、表裏一体である。明るい人間は傲慢である。暗い人間は冷静である。面白い人間は軽薄である。つまらない人間は知性的である。計画通り物事を進めることが出来る人間は、実際、自信のなさの裏返しだったりするし、何でも適当に手を抜き仕事をする人間は、嘗ての頑張りすぎた失敗の教訓を活かしているのかもしれない。他人のことは分からない。自分の気持ちすら絶えず揺らいでいる。アイデンティティなど、横文字、カタカナ語に過ぎないのだ。日本人には合わない観念だ。

 またもや、馬鹿な空想話をしてしまった。誰も読まないからいいやと思って居たが、ここ最近は一日10人から30人程度の人間が私の記事を読んでくれているようだ。有難いことである。励みになる。