Abyss

日々の思索と妄想と魑魅魍魎。Peace.

Flow・文体・霊力

 私の中には三本の精神的支柱が在る。ラップ/ヒップホップ、翻訳文学、仏教だ。つまり私は己を、ヒップホッパー、翻訳家、仏教者として規定している。といっても、社会的には殆ど認められていないので、それぞれに「自称」が冠せられるのだが。どれだけ独り善がりの自己規定であったとしても、しかしながら、それがあるのと無いのでは大きな違いである。自分の社会的役割を自らに与えているのだから、強さの源にならない筈がない。半ば欺瞞的な方策であるが、洗脳やマインド・コントロールに近いのかも知れない。まあ、結果として、いい論文が書ければそれでいいのだ。

 三者に共通している所は、スタイリストであるという事だ。スタイルとは、ラップ界では「Flow」、翻訳界では「文体」、仏教界では「霊力」と呼ばれる物だ。それが無ければどうしようもない代物に成り下がってしまう、本質の事である。しかしながら、その本質のみを指し示したり、抽出して記述することは不可能である。だから、これは具体的な物というよりも、表面上の色や形や音に近い。醸し出す雰囲気、凄味、魅力。そうした曖昧な言葉を並べたほうが伝わりやすい位、それは流動的である。

 兎にも角にも、私は、ヒップホッパーであり、翻訳家であり、仏教者である。寝ても覚めてもラップを聴いて、歌詞を訳して、座禅を組む。只管打坐、ラップ三昧、読書三昧の日々である。こんな暮らしで本当に良いのだろうか。私が決めたのだから、それで良いのだ。