Abyss

日々の思索と妄想と魑魅魍魎。三木清の『人生論ノート』や小林秀雄の『考えるヒント』みたいな随想録や告白集を書くのが夢。嘗て高校教諭。現在はラップ研究している大学院生。Peace.

動画ライフからの卒業

 恐らく、ではない。これから話すことは全て私の個人的な事実である。自分専用のパソコンを持ってからと言うものの、パソコンで動画を観なかった日は一日としてない。即ち、この十年間、私の人生の何分の一かは動画視聴に当てられたのだ。今や私にとって音楽とは、何処からか拾ってきた音源をハードディスクに落としてMP3形式で「聴く」対象ではなくなり、誰かのアップロードしたMV付きの動画を、無料で、「観る」ものになった。プレイリストとは、私専用ではなくなり、公開してみんなで共有するものになった。今や動画と言えばYouTubeになってしまった。

 動画の画質も日増しに上がって、今では4Kがスマホで、しかもネット回線で観られる。動画を探す手間も格段に優しくなったし、動画の種類も質も格段に良くなった。ネットの動画というと、嘗ては、まずダウンロードに滅茶苦茶時間が掛かって矢鱈に待たされたし、画質も悪いし、内容も何処かしら胡散臭かったり、ナンセンスでエロやグロも多くて当たり外れが激しかったのもあって、アングラ感が満載だった。私はニコニコ動画には(その全盛期だった筈だが)あまり嵌まらなかった。「○○してみた」系の、前後の脈絡のない動画はたまに観ていた程度に楽しませてもらった。私の動画ライフに欠かせなかったのは「ひろぶろ」だった。ネット版『世界まる見え!テレビ特捜部』みたいに、毎日更新されるバラエティに富んだ動画がアップロードされるのを楽しみにしていた記憶がある。今も、三代目ひろぶろとして活動されてるみたいだ。今度先輩面して覗いてみようか。

 今ここで、動画ライフからの卒業式を挙げようと思う。今日で「動画ライフ」とはお別れだ。もう永遠に、あの日の頃のように、16インチのスクリーンが生活空間に変化することはない。君とは今日でお別れだ。また逢う日まで。さよなら、さよなら、さよなら。