Abyss

日々の思索と妄想と魑魅魍魎。Peace.

『冷たいギフト』の宇宙と声

 『冷たいギフト』 作詞:坂本慎太郎

 

 嗚呼 目が醒めて

 じっと 何もせず

 俺は 試されてる

 今も こんな時にも

 嗚呼 夜が明け

 Oh yeah 何気なく

 死んだ つもりになる

 過去が 追いかけてくる

 

 嗚呼 奇麗な眼

 人形 何も見ず

 君は 諦めてる

 既に 遠い昔に

 嗚呼 郵便で

 お化けだか幽霊だか何だかそんなものから送られてきた

 尻尾 尖った牙

 あとは 銀色の角

 

 嗚呼 目が醒めて

 じっと 何もせず

 俺は 試されてる

 今も こんな時にも

 嗚呼 冷凍して

 お化けだか幽霊だか兎に角そんなものから送られてきた

 俺の 可愛い奴

 そばで ジッとしている

 

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 私の人生の応援歌である。こんなにも不気味な、ゾッとさせるような、それでいて温かみのある、「心地よい不快感」という矛盾した感情を引き起こす楽曲もない。悲哀、畏怖、憧憬、焦燥、超然、懺悔、諦観・・・・・・私の頭を渦巻くのは、こうした二字熟語のオンパレードだ。分かるような、分かりたくないような気持ちだ。割り切れなさ、遣り切れなさ、軽い失望、一縷の望みだ。異界からの声だ。深奥からの触手が伸びてくるような。しかし、なぜだか知らないが懐かしい声だ。始原の生命だ。宇宙の果てだ。忘却の河だ。万物の流転だ。つまり、人知を超えた解釈不可能な構造体だ。

 果てしない。果てしないなあ。いつまでも聴いていたいよ。布団に籠って。土管の中で。穴の中で。カラオケボックスで。水の張った浴槽に浸かって。たった一人で。