Abyss

日々の思索と妄想と魑魅魍魎。三木清の『人生論ノート』とパスカルの『パンセ』が私の心の拠り所。Peace.

力を結集させよ

 苦しみを癒やすには知力だけでは足りないのだと気づく。体力だけでもまだ足りない。精神力を養い、知力と体力の強固な結びつきを図らねばならないのだった。即ち、結束力である。有り体に言えば、集中力だ。

 更に換言すれば、here&now「今・此処」に対する意識の濃密さを求めることだ。眼の前の世界だけを愛する生き方だ。眼に映らない世界のことを、ひとまず置いておく、ある種の逃げの姿勢でもある。死を放逸してしまうような事は避けるべきだが、死に囚われないように己の頭を世界に向け直すことだ。

 この考え方は、精神科医名越康文氏の『心がフッと軽くなる「瞬間の心理学」』(角川新書)から学んだことだ。印象的な文章ばかりで、朱線だらけになったが、その中でも特に大切だと思った箇所を引用する。

 小さな合理性ではなく、大きな合理性に向かうこと。大きな合理性というのは、日常のミニマムなレベルで見ると、実は得てして、不合理な姿をしていると思うんですよ。それをどれだけ引き受けられるかというのは、結構大きなポイントだと思うんです。(p.40)

 もしかすると、ブログを書いている時は、その人の意識が文章を書くことの瞬間瞬間に集中して、最も心が安定している時間なのかもしれません。だけど、その集中からフッと離れると、様々な空想が頭の奥から沸き起こってきて、突発的に多幸感を覚えたりしつつも、気がつくとまたとてつもなく気分が落ちている。大げさかもしれませんが、こういう気持ちの循環が続いているように見えるんですね。木の葉のように風に舞って乱れている感情やイメージの断片に、毎日振り回されてヘトヘトになっている様子が、分かってくる気がする時がありますね。(p.58)

 ・・・でも、僕たちは潜在的に、素直になって渾身の力で挑むことをすごく恐れるんですよ。恐れるだけじゃなくて、もっと言うと、「頑張る」ことを嫌がる。それはなぜかと言うと、まさにブレーキを踏みながらアクセルを入れることを、僕たちは「頑張る」ことだと思いこんでいるからかもしれないんです。(p.68)

心がフッと軽くなる「瞬間の心理学」  角川SSC新書

心がフッと軽くなる「瞬間の心理学」 角川SSC新書

 

 

 まだ通読している最中だが、既に分かるのは、これは私に今必要な考え方が述べられているということだ。著者略歴を見ると、名越氏のご専門は思春期精神医学だそう。なるほど、私にぴったり来る訳だ。

 私に必要なのは、精神医学の知識ではない。生きていくための智慧だ。その一つが、「目の前のことにちゃんと取り組む」(p.66)力だと思う。

 よし、バイトが終わったら勝負だ!