Abyss

日々の思索と妄想と魑魅魍魎。三木清の『人生論ノート』とパスカルの『パンセ』が私の心の拠り所。Peace.

神とイデオロギー

 私は暇になると次の二つを考える。神とイデオロギーである。出家するか政党員になるか、どちらにしようか迷うに至る。正確に言えば、迷うことが仕事のようになる。これは果てしない無意味である。私はその無意味さと無益さを体の隅々に浸透させていく。私は、終に何者も選ぶことのできなかった、中途半端な自分を発見して安堵する。

 神とイデオロギーに見放された男が次に考え着くのは、旅の計画と恋愛至上主義である。昔(今も?)『あいのり』という、バス旅行と恋愛を組み合わせたような、男女の恋模様を追った疑似ドキュメンタリー(モキュメンタリーともいう)があったが、例のあれである。こんなダメ男(ダメ女)でも、恋愛したい!というやつだ。俗っぽ過ぎるかもしれないが、今の私は過渡期なんだと思う。過渡期というのは存外便利な言葉で、中途半端な、甘ったれた、不安定な自己の有り様を、変化の一過程と見做すことで、ありのままに受け入れることができる魔法の杖である。